草薙龍瞬『これも修行のうち。』

草薙龍瞬さんの本はこれまでに何冊か読んでいますが、『これも修行のうち。』では心のさまざまな部分をバランスよく使い、悩みに反応しなくなるためのスキルを紹介しています。

この本の中心的なメッセージは自分の方向性を決めるということです。ネガティブな思い込み、暗い妄想にとらわれず、自分にとって「快」ある未来をイメージしてそこに向かって歩いていく。「方法はある」と信じる。

これは『イシューからはじめよ』に出てくるイシュードリブン(Issue Driven)の考え方に近いかもしれません。悩んでいるだけの時間は何も生み出さない、その代わりに解決に向かって考えることが重要、という点で似ていると思います。

私が好きなエピソードは、お酒の飲めない著者が風呂上がりのビールの代わりに一杯のヤクルトジョアで晩酌をする話と、夏には暑い屋外からコンビニに入って冷蔵庫の棚で坊主頭を冷やし、冬にはニット帽で温める話です。どちらも修行の1つとして紹介されています(25「ドリンク禅」で手軽に極楽気分/8「温度の落差」に感動してみる)。著者の柔らか人柄がよく伝わってきます。

 

 



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